右端にあるタブが送料設定です。デフォルトでは当社がFedExと契約している送料を基準に設定しています。まだクーリエを利用していない方は、国際郵便の料金表に沿って入力するといいでしょう。
送料テーブルには直接数字を打ち込めます。
500gと入力しているところは、0-500gの範囲の商品に適用され、
1000gと入力しているところは、501-1000gの範囲の商品に適用されます。
何も設定されていない重量の場合は、「どれにも当てはまらない場合の送料」に設定したものが適用されます。
「送料設定 上書き保存」
設定が終わったらこのボタンを押してください。設定ファイルのshipping.csvが上書きされます。
「送料設定 指定場所保存」
送料設定を保存しているshipping.csvのバックアップを取りたい場合はここです。Dドライブや外付けメモリなどに保存すると良いでしょう。
なお、FBA用の設定をしたい方は1gあたり1円から0.8円を基準に、この表の料金部分を書き換えるといいでしょう。FBAは一度に大量に数十キロほど商品納品するため、重量あたりの送料が安くなります。FedExなどのクーリエでFBA直接納品する場合は、必ず関税元払いにした上でインポーターをAmazon以外にしてください。
これで送料設定は完了です。次は仕入先と利益計算の設定をしていきます。
ここが設定の山場です。設定項目が多いですが1つ1つ見ていきましょう。
・最低利益
Venesploでは競合セラーがいる場合、そのセラーと同じ販売価格まで値下げします。そのとき赤字にならないよう最低利益をここで設定します。これを下回る価格には値下げしません。
デフォルトでは500円になっています。500円未満しか利益が取れない販売価格にはしないということです。
パーセントに変更することもできます。あなたが扱っている商品の価格帯に幅がある場合はパーセントの方が良いかもしれません。
・競合なし最低利益
競合セラーがいない場合にどれだけの利益を取るかという設定です。最低利益よりやや高い数値にすることをおすすめします。デフォルトでは800円です。
・出品ファイル作成計算方法
「利益があり最安値セラーになるなら出品する」
「利益が出る価格で出品する」
Amazonでは最安値セラー以外はあまり商品が売れません。そのため最安値セラーにならない場合はそのASINを出品除外するというのがデフォルトの設定です。「利益が出る価格で出品する」にすると、どのようなASINでも出品しますが、無駄な出品が増えてるのでおすすめしません。売れない商品を出品したままにするのは、余計なアカウントリスクを抱えることになります。
「利益が出る価格で出品する」は安全なメーカーのみ選定しているので全部出品したい、というときに設定してください。
・価格改定ファイル計算方法
「利益があり最安値セラーになるなら出品する」
「利益が出る価格で出品する」
これも通常は「利益があり最安値セラーになるなら出品する」でOKです。
出品している商品が安全なメーカーのみであれば、「利益が出る価格で出品する」を選んでも良いでしょう。
・価格改定稼働
「価格改定ファイルを作るのみ」
「オン」
「オフ」
価格改定は設定を誤ると事故につながるため、デフォルトではAmazonアカウントにアップロードしない「価格改定ファイルを作るのみ」になっています。
必ずこの状態で1度は価格改定を行い、作られたファイルの内容が正しいか確認した上で「オン」にしてください。すると次回の価格改定からAmazonアカウントに反映されます。
「オフ」にすると価格改定機能が使えなくなります。年末年始やお盆などでセラーアカウントを休止設定にして、長期間販売を休むときに使いましょう。
・Amazon.comに設定している送料
米国Amazonで設定している送料を設定しましょう。送料無料なら0ドルです。重量ごとや地域ごとの設定には対応していません。セラーアカウントでそう設定している場合は最も汎用的な数値を入力しましょう。
・梱包材料金
輸送箱やエアパッキンやビニール袋など、1注文の梱包に必要なコストを入力してください。
・発送代行会社手数料
発送代行会社を利用している場合は1出荷毎に手数料がかかりますので、その料金を入力しましょう。フリーランスの外注に依頼している場合なども同様です。ご自身で出荷している場合は0円でも構いませんし、あなた自身の給与に沿って設定してもいいでしょう。
・梱包重量
Amazonでは商品重量をSP-APIから取得できますが、その数値はなぜか実際よりやや軽いです。おそらく輸送箱の重量が計算に入っていないのではないかと思います。そのため先ほど設定した送料テーブルの料金に当てはめられません。
適切な商品重量に補正するのがこの設定項目です。
デフォルトでは梱包重量に200g足したものを1.1倍にしています。これで大抵の商品は実際の重量の近似値になると思います。軽量商品または重量商品を主に扱うセラーにはデフォルト設定が合わない可能性があるため、適宜調整してください。
・返品減額率
デフォルトでは2%としています。自分が出すジャンルの商品の返品率をそのまま入れればいいのかというとそうではなく、この設定項目は返品減額率です。どういう違いがあるかというと、後者は返品によって売上から引かれる総合的なコストの割合のことです。
ざっくり、返品率に8-9掛けした数値とすればよいでしょう。
簡単に解説すれば、100万円分売った後、返品により喰らう損失が何万円か、その割合を打ち込みます。先の例だと100万円売って5万円分返品され、商品コンディションにより減額して4万円返金して、返品された商品はeBayで売って1万円になった、となれば損失3万円なので3%というわけです。
・海外送金手数料率
大抵の方はPayoneerを利用してると思います。あなたがPayoneerでかかっている為替手数料を入力してください。国内の銀行に送金する際、変換されるドル円レートが表示されますので、それが実際のドル円レートと比べてどれくらい不利な数値かで計算できます。デフォルトでは0.5%としています。
なお、Venesploは自己出荷をメインにしているため、関税計算機能はありません。米国へは1出荷あたり800ドルまで関税がかからず、そんな高価格帯のものを売ることはまずないためです。
しかしFBA納品用の商品リサーチをする場合は関税が必要になってきます。例えば10%の関税がかかるようなジャンルのものをリサーチする場合は、返品減額率か海外送金手数料の数値を10%分増やして調整してください。
・ハンドリングタイム
米国Amazonから受注があったときに、何営業日で出荷するか期限を設定します。デフォルトの6日にしておけば、出荷地が日本のどこでも大抵は安全です。もしあなたが日本Amazonから仕入れて届いた商品を1営業日で出荷できるなら、5日にしてもいいかもしれません。
時間が取れない人、僻地に住んでいる、あるいは日本Amazonがプライムデーなどで配送が遅れる期間の場合は7-8日にするといいでしょう。当然その分売り上げは落ちます。
・競合ありなら出品価格に上乗せ
競合セラーと同じ価格に設定していると、0.01ドル安くする自動価格改定ソフトを使っているタイプのセラーにより、価格改定のたびに値下げが起き、価格崩壊が起きることがあります。
もしあなたがメインで売っている商品にそういうセラーがいて、価格崩壊が起きる場合は、例えばここを0.01に設定すると、最安値セラーより0.01ドル高い価格で出品できます。もちろん最安値セラーより販売額は落ちますが、価格崩壊は防げます。
なお、Venesploでは最安値セラーと同額にはできますがそれより安くする設定はできません。Venesplo利用者同士で価格を下げ合って崩壊するのを防ぐためです。
・出品価格上限
Venesploの価格設定に関するどこかの数値を大きく間違えてしまったために、ありえないほど高い価格で出品することを避けるための機能です。あなたが扱う商品の中で最大の価格より少し大きい額を入力しておきましょう。それ以上の価格になる場合は出品ファイル作成なら除外され、価格改定なら在庫0になります。
・出品価格下限
先ほどの逆です。あなたが扱う商品の中で最低価格より少し低い額を入力しておきましょう。
・価格改定開始時刻
毎日何時に価格改定を開始するかを決めます。日本時間基準です。デフォルトでは10時です。
・価格改定周期
何時間置きに価格改定するかを設定します。デフォルトは12時間なので、1日に2回価格改定することになります。価格改定開始時刻を10時に設定している場合は、10時と22時になります。
設定値は8-24時間の間でできます。1時間置きなど高頻度にした方が在庫の情報を常に最新にできていいんじゃないかと思うかもしれませんが、それは危険ですので8時間未満には設定できないようにしています。
理由はこのStepの最後の項をご覧ください。
・価格改定ファイル分割出力件数
Venesploの価格改定速度は1時間あたり約1400ASINです。
例えば1万出品している場合は7時間ほどかかります。
なるべく最新情報をアカウントに適用したい際にこれを使います。
デフォルトの5000件毎というのは、5000件分作れたら先にそれで価格改定して、
残りの分をまた作っていくということです。
先の例で言えば1万件を1万件分の価格改定するのに7時間かかるより、3時間半で5000件先に価格改定できるというメリットがあります。
・仕入れ先の出品形態
仕入れ対象の出品形態は、例えばAmazon.co.jp本体とFBAのみにすれば、プライムデーやサイバーマンデーなどでAmazon倉庫の物流が混乱する時期以外は非常に安定した確度で仕入れを行うことができます。しかし厳選すればするほど仕入先は減り、有効な出品も減ってしまうので、安全性と利益は常にトレードオフです。
後述する対象セラーのハンドリングタイムや仕入先の評価数を厳し目に設定しておけば、自己出荷セラーでもそう問題は起こりませんので、デフォルトでは全てにチェックを付けています。
・仕入対象セラーのハンドリングタイム
米国Amazon無在庫輸出は、日本Amazonで安定した仕入れをできるかが肝です。
そのために大事な要素の1つがこれです。商品を仕入れてから何日後に発送されるセラーを対象にするかを決めます。デフォルトでは4日にしています。3日か4日に設定することをおすすめします。
仕入先のハンドリングタイムを5日にする場合は、自身のハンドリングタイムは7-8日にしないと危ないです。
自身のハンドリングタイムに2か3を引いた数値が、仕入れ対象セラーのハンドリングタイムとして多くの場合適切です。あなたの出荷拠点が関東なら2、九州や北海道なら3か4引きましょう。
・仕入れ先の評価率
「高評価90%以上」
「高評価80%以上」
「高評価70%以上」
評価率が一定以上のセラーを仕入れ対象にします。
この設定は最低でも70%以上を選ぶ必要があり、オフにはできません。
それ未満の評価率のセラーから仕入れていては、トラブルに巻き込まれる可能性が高まるからです。
・仕入れ先の評価数
「300以上」
「100以上」
「50以上」
「10以上」
「1以上」
評価数が一定以上のセラーを仕入れ対象にします。
評価数0のセラーは未知数なので仕入れ対象にはできないようにしています。
評価数を増やせば増やすほど安全度は増しますが、仕入れ対象セラーも減ります。
デフォルトの「10以上」か「50以上」をおすすめします。
・ドル円レート
ドル円レートをとあるサービスのAPIを利用して取得しています。小数点第3位を四捨五入して、第2位までにしています。
・手動ドル円レート
手動でドル円レートを設定したい場合はこちらをどうぞ。ラジオボタンで切り替えられます。
・予約商品出品除外
「オン」
これはオンにしかできません。これは、除外設定が有効であることを示す情報表示のみの意味です。これをしておかないと、数ヶ月後に販売開始予定の商品まで出品対象になってしまいます。無在庫販売には致命的なのでオンにしています。
・ウィンドウ最小化
「タスクバー」
「システムトレイ」
最小化した時にタスクバーに収まるかシステムトレイに収まるかを選べます。
システムトレイというのはデスクトップ右下のタスクバーにある上矢印(ひらがなの「へ」みたいな形)を押したら出てくる、このようなトレイです。
除外リストには次の2つの機能があります。
1つめは危険な商品を登録することで、出品ファイル作成と価格改定でその商品を対象外にする機能です。jogaiASIN_Maker_Keyword_Seller.csvとして保存します。
出品ファイル作成だと対象商品は出品ファイルに含まれないようになり、価格改定だとその商品は削除されます。
文章だけでは設定方法の説明が難しいので、スプレッドシートのリンクを用意しました。
Venesplo除外リストの入力例
2つめは価格改定から除外するASINを登録する機能です。kakakukaiteijogaiASIN.csvとして保存します。
有在庫と無在庫を併用する場合に使います。
例えば無在庫販売でも、仕入れた後に購入者が注文キャンセルすることがたまにあります。そうするとその仕入れた商品は在庫になります。
在庫なのでハンドリングタイムは2日でも大丈夫ですし、それでも売れ残れば大きく値下げすることも必要でしょう。しかし価格改定が動いている限り、全てのASINは無在庫として設定したハンドリングタイムと出品価格になってしまいます。
その価格改定から除外するための設定がこのCSVでできます。
下記が解説です。設定は簡単で、CSVのA列にASINを入力するだけです。
Venesplo除外リストの入力例
表計算ソフトで文字化けする場合は、どちらのCSVもShift JISで読み込み直してください。
「クリップボードにコピー」を押してください。
次に、GoogleスプレッドシートかExcelなどの表計算ソフトのA列にこのコピーをペーストして、CSV出力してください。このCSVファイルが利益が出る商品が含まれている原石です。
設定ができたので、商品出品をしていきます。
先ほどjaneeNで作った、A列にASINを入力したCSVをファイル指定して開始ボタンを押してください。差益設定で設定した通り、米国で販売するのに最適な価格に調整された出品ファイルがTSV形式で出力されます。
先程の出品ファイル作成で作った複数のTSVファイルをここにドラッグ&ドロップして、マージボタンを押すと、1つのTSVファイルにまとめられます。
絶対必要というものではなく、あれば便利な機能です。
出品ができれば、その出品商品の仕入先があるかチェックし価格を最適に調整する、価格改定の出番です。
価格改定が完了したファイルがここに並びます。
最初は「差益設定」タブ「価格改定ファイル計算方法」で「価格改定ファイルを作るのみ」にしておき、出力された価格改定ファイルの内容が問題ないかよくご確認ください。もしかしたら差益設定で間違えた設定にしていて、価格改定ファイルがめちゃくちゃな数値になっているかもしれません。
問題なければ「価格改定ファイル計算方法」で「オン」にしてください。周期毎に価格改定ファイルが作られ、自動でアップロードされますので何もする必要はありません。どんなファイルがアップロードされたかは、上図「価格改定 出力ファイル」で確認できます。Venesplo直下フォルダ「価格改定出力」に格納されています。
Venesploはデスクトップ常駐アプリです。24時間PCつけっぱなしの方であれば、システムトレイに最小化するだけで邪魔になりませんので問題ありませんが、使わない時はPCをスリープしたり電源切っている人も多いと思います。
そういう方はVPS(Virtual Private Server)を使うことをおすすめします。Windowsサーバーをレンタルして、自宅のPCからリモートデスクトップで接続して利用するというわけです。それなら24時間稼働できます。
または、Macを使っている方もこれを使うとVenesploを使えます。
Venesploを24時間稼働するには、さくらVPSのWindows Serverがおすすめです。契約からセットアップまでわかりやすく、2週間の無料試用期間もあります。
https://vps.sakura.ad.jp/windows/
メモリは2GBがおすすめです。1GBだとラグが大きく操作に時間がかかりますし、4GBだとスイスイ動きますが月額が少し高いからです。
リモートデスクトップを使う場合は、ライセンスが1人あたり1つ(月額1320円)必要です。
Venesploのセットアップが終わって、後は自動価格改定以外何も使うことがないとなれば、一旦シャットダウンして、1GBの契約にダウングレードしても構いません。試用期間中はプラン変更できませんので、料金が変更されるのは2ヶ月目からです。
WindowsサーバーはWindows10や11と操作性は同じです。VenesploもローカルPCと同じようにセットアップしてください。Dropboxやメール添付を使って、ローカルで使っているVenesploの設定ファイルをVPS側にもってきて適用するとすぐ設定完了します。
VPSはVenesploを動かすだけではなく、外注さんの仕入れ作業用PCなどとしても使えます。VPSならさくらのVPSがおすすめです。メモリは2GBあれば重いですが動きます。
この先外注に仕入れ業務を任せる場合はVPSを快適に動かせる必要があるので、そのときは4GBか8GBにアップグレードしましょう。
概要がわかったところで、さくらVPSの構築手順を説明していきます。
まず、さくらのVPSアカウントを作成してログインしてください。
トップページ左サイドメニューの「サーバー」を選択します。
https://secure.sakura.ad.jp/vps/servers?search=&sort=-service_cd&page=1
画面右上に「サーバーの追加」プルダウンメニューがありますので、「VPS for Windows Server」を選択しましょう。
契約するプランを決めていきます。年間プランなら安くなりますが、最初は毎月払いでいいでしょう。
W2Gプラン、リージョンは、あなたのお住いが北海道に近ければ「石狩第1」、大阪に近ければ「大阪第3」を選択してください。近い場所にあるサーバーを借りた方が、遅延が少なくなります。
1人で作業する場合、リモートデスクトップライセンスを1つ選びます。
外注化などで、アクセスする人数が自分含め2人の場合は2個にしましょう。
「自動生成したパスワードを使う」で強度の高いパスワードが生成されるので、これでいいと思います。「管理ユーザーのパスワードをダウンロード」は忘れず行ってください。パスワードを忘れるとVPSに入れなくなります。
ここまでできたら画面右下「お支払い方法選択へ」を押します。
クレジットカード情報を入力後、2週間お試しを利用するラジオボタンを選択してください。
電源操作プルダウンメニューから起動してください。
ステータスが起動に変わったら、ブラウザ上での作業は完了です。
次はローカルPC側の操作です。
Windowsボタンを押して、検索窓にremoteと打ち込んでください。
これでリモートデスクトップアプリが出てくるので、起動します。
よく使うのでデスクトップにショートカットを作ってもいいでしょう。
コンピューターのところに、先程コピーしたIPアドレス/ホスト名、つまり133.XXX.XX.XXXのような、数字とピリオドがついているものを貼り付けます。コンピュータの番地です。
ユーザー名は「Administrator」です。資格情報も保存します。
このような警告画面が出てきますが、さくらのVPSは安全なサーバーですので、
「このコンピューターへの接続について今後確認しない」にチェックを入れて「はい」です。
これでVPSに接続できました。Windows 11や10と操作方法はほぼ変わりません。
Edgeが使えるので、そこからVenesploのZipをダウンロードして設置してください。
あとは自動価格改定が動くかチェックして完了です。
除外リストは適宜充実させていってください。